まさかお笑い芸人さんの自伝で泣くことになるなんて思いませんでした。せいやさんの原点が垣間見えてとても興味深かったです。 せいやさんが過去いじめを受けていたことは知っていましたが、想像以上に酷く、気が滅入ってしまいそうな部分もありました。 入学当初のひりついた雰囲気の描写もとてもリアルで、今思えばスクールカーストなんかに拘らなくても良かったのにと思うこともありますが、当時の自分にとっては大切なことだったので、とても共感しました。 いじめに悩んでいる方だけでなく、学校で素を出せず窮屈な思いをしている方にもぜひ届いてほしい一冊です。 辛い状況の中、現状をどうすれば打破できるのか考え、実行に移し、実際に成功させてみせたパワーとお笑いセンス、せいやさんは売れるべくして売れたのだなと思わされました。 タイトルにもなっているコント劇ですが、連発されるボケに対して俯瞰したツッコミが入るというスタイルが今の霜降り明星の漫才にも踏襲されていて、せいやさんのお笑いの根幹は昔から変わっていないのだなぁとファンとしては嬉しい気持ちになりました。 文字で読んだだけでもとても面白いので、実際の劇を見てみたかったなと思います。

私はいじめられた経験はないですが、お昼を一緒に食べる友達がいなかったり、トイレで時間をやり過ごしたりした経験があったので、共感する部分が多く、とにかく泣けました。 学校のあの独特な雰囲気や空気が鮮明に蘇ってくるくらい引き込まれました。読んでいると自分もイシカワと同じクラスで、イジメを見て見ぬふりをしているクラスメイトになったかのような感覚になりました。 ストーリーとしても面白いけど、今はいじめられてたことが信じられないくらい明るいせいやさんが、こんな辛い経験をしているというところも泣けるところでした。 話ごとに区切られていて読みやすいので1時間ほどで読めます。

霜降り明星のファンの大学生です。本で泣いたのは久しぶりです。高校の解像度が高くて、読んだ日の夜に久しく会っていない高校時代の友人が次から次に夢に出てきました。スラスラと読めるので老若男女楽しめると思います。

スクールカーストの中で苦しみながらも自分を見失わないイシカワにどんどん感情移入して一気に読みました。私は特に家族とのやりとりの場面が泣けました。大人にも学生さんにもおすすめの一冊だと思います。