ふんわりとした雰囲気と歌声が好きで以前よりのファンでした 初自伝ということで更に深く知りたくて購入。 辛く苦しかったであろうご経験を読んで、現在ご活躍されている純さんはそれらのピースを無駄にすることなく、全て血肉としておられるのだと思いました 誰にでもお優しく、毒舌の中にさえ温かさを感じる理由が少しわかった気がします

購入動機は、たまたま聴いたCBCラジオで本人が出演していた番組内で、この本の紹介されていた時、興味を持ったからです。著者のことは、NHKの阿佐ヶ谷姉妹のテレビや、関東にいたときよく聴いていた文化放送やラジオ日本の昔の歌謡曲を紹介する番組で馴染みがありました。まさか、自分がこの人に興味を持つとは、自分ながら驚いています。本の内容は、知らないエピソードも多く面白いものでした。同年代として、会社の敷地に住んでいたことや、どうやって商売になっているか謎の古本屋のこと、昔の飼い犬に対する親のスタンスなど、地方で在住していた自分でも、身近にあった光景でした。流されているかもしれなくても、生きてこれた、道が開けるということが書いてあります。自伝でありながら、虚飾せず、等身大で丁寧に書かれている文章は簡潔でありながら、何かを感じてほしいといった著者の熱い気持ちが伝わってきます。内容は、普段の語り口と共通です。多くの弱った人におすすめです。生きていく上で人は避けられない辛さ、情けなさに、こちらまで応援したいと気持ちになりました。私は、頭の硬くなった50代男性ですが、言葉で表せない何かを感じています。10年以上前にベストセラーになった東京タワーを読んだ時も、そう思いました。すべての人におすすめいたします。

文学的でありながら簡潔で読みやすい。字も大きめ。ラジオなどで話されているエピソードよりだいぶ深く、痛みを伴った懺悔録。読者の心にもムクとかすみちゃんへの切ない想いがしばらく残りそうです。 バカにされても、忍び寄られても、土足で踏み込まれても、すべてを受け入れてしまう。弱さを通り越して、底知れぬ包容力をも感じてしまいます。 謎めいた愛されキャラがどのように形成されたのか、生き永らえてきたのか、哀愁はどこからやって来るのか、ジワジワ伝わってきます。あと、徳光和夫さんてとてもいい人なんだなぁ。