釵の部分だけ一通り見た印象ですが、初級編の教え方が雑に思いました。釵での受けは下段受けにしろ上げ受けにしろ、釵が防御方向に来るように持つのが常識で、どの流派でも最初に教えられることです。しかし、初級編では釵の持ち方には全く触れず、延々と基本稽古をしているところを見せられます。なぜそのような動作をするのかという説明はほとんどありません。しかも上げ受けの時の釵が持ち手の上でなく真正面に来ており、明らかに間違った持ち方でした。そんな持ち方だと、腕を切られてしまいます。「変な持ち方をする流派だな」と思ったら、中級編以降の型では上げ受けの時に釵がちゃんと腕の上にきていたので、やはり初級編の持ち方が間違っていたのでしょう。釵が防御方向に位置するように持つのは、どの流派でも最初に習う、一番大事なことです。初級編こそ、釵の正しい持ち方、またなぜそのように持つのかを丁寧に教えないといけないと思いました。とても残念です。 DVDセットでボリュームはあります。中級編以降は型がメインになるためかそこそこちゃんとしてます。ティンベーの型のようにマニアックな古武術も視聴できるのはいい点でした。 総じて、コレクターアイテムや資料として視聴する分にはいいですが、古武術の教本にするなら、少なくとも基礎部分はもっと信頼できる資料を参考にした方がいいかなと思います。