2.5の舞台としては刀ミュの後発で、期待値もプレッシャーも高い中で旗揚げされた今作。僅か2年6作目で観客動員数10万人を達成した刀ステの1作目だが、結果次第ではシリーズ化される事なく1作限りで終わる舞台演劇の厳しさの中で戦ってきた若き演者達が、絶対にいいものを作って次に繋げるんだ！という気迫を感じる熱い作品。 バクステ映像では“戦う座組”というテーマと、今や刀ステファンにはお馴染みになった「刀剣乱舞、始めよう！」という円陣の初期の気合いも収められている。何より見所なのはその円陣の気合い入れ。毎回毎回全力で円陣を組むキャストの熱量と一体感は、数ある刀ステ作品のバクステ映像の中でも随一で、見ているこちらもッシャーッ！！と気合いが入る。 公演数24。全員が横一に並ぶと刀がかぶってしまうぐらい狭いステージから始まっていたのを見ると、とても感慨深く愛おしくすら思う。メインキャラの不動行光演じる椎名鯛造君の迫真の演技も、再演とは台詞のニュアンスが違うためにまた違った感情が揺さぶられる。なぜ明智光秀は織田信長を裏切ったのか。日本史上最大のミステリーである壮大なテーマを、ベテランの窪寺昭氏が納得の演技で鮮やかに描き出している。刀ステ作品は再演以降しか見ていないという人には、絶対にこの初演こそ見て下さいっ！と切に思う。