解説者・推薦者が述べている様な非常に傑出した作品とまでは思えなかったが、かなり面白かったのは確かだ。 ただ「そして月がふりかえる」は、主人公(大槻高志)の振舞いが自分勝手でまったく肯定できなかった。 また「月景石」はファンタジー要素が強くそれなりに楽しめたが、最後に人間が大月桂樹に飼育されている家畜の様に思えてきてハッピーエンドとはならなかった。 「残月記」は多少物足りなさはあるが、傑作には違いない。出来れば映像化して欲しい作品だ。